
画像: アニメ「ちいかわ」公式サイト/©ナガノ/ちいかわ製作委員会
ちいかわ「あくむ」のゾウの正体は?夢にあらわれる相手について、明かされていないこと
公開
「あくむ」で夢にあらわれるあの相手の呼び名は「ゾウ」です。グッズショップ「ちいかわマーケット」の商品名も、ちいかわパークのエリア「あくむな部屋」の案内も、アニメの役名も「ゾウ」で通っています。ただし、その先——何者なのか、元は何なのか、どこから来て、何のために夢に入ってくるのかは、いまも説明されていません。夢を食べる生きものの言い伝えから「バク」と読む人もいますが、作品の中でバクという言葉が使われたことはありません。この記事では、ナガノさんの投稿・アニメ・単行本から確かめられることと、確かめられていないことをはっきり分けて並べます。
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日付
通年
時期を問わず読める原作ガイド
場所
X(旧Twitter)・アニメ・単行本7巻
出典
アニメ「ちいかわ」公式サイト
「あくむ」は、どんなお話?

「あくむ」は、ある夜のにらめっこから始まる長編です。笑ったら負け、というきまりで勝負を持ちかけられたちいかわは、その日から毎晩、眠っているあいだに入りこまれるようになります。目がさめたあとに残るのは疲れだけ。夜がくるのがこわくなっていく——そういうお話です。
まず、この長編のあらましです。
- 原作
- ナガノさんの投稿で、2023年2月19日から3月10日までの20回ぶん。ちいふぁんのまとめ読みで、最初から順番に読めます。
- 投稿のようす
- 文章がほとんどありません。添えられているのは絵文字だけで、20回のうち12回に🐘が付いています。
- アニメ
- 第349話から第359話までの11回に分けて、「あくむ①」〜「あくむ⑪」として放送されました。
- 単行本
- 『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(7)』(2024年11月21日発売)に「あくむ編」が収録されています。
短い話数のわりに、出来事が細かく積み上がっていく長編です。単行本7巻の紹介文(講談社「モーニング」のサイト)では、勝負のきっかけがにらめっこであること、そのあとうさぎも巻きこまれていくことまで触れられています。手もとに置きたい人は、7巻の一冊で「あくむ編」がまとまって読めます。ここから先はお話の中身に触れますが、結末の核心は書きません。
出典: アニメ「ちいかわ」公式サイト おはなし、モーニング公式サイト コミックス⑦巻「あくむ編」収録、ちいふぁん まとめ読み「あくむ編」
「ゾウ」と呼ばれています ── 確かめられること

まず、いちばんよく検索されていることから。この相手の呼び名は「ゾウ」です。グッズの商品名にも、ちいかわパークのエリアの案内にも、アニメの役名にも、その言い方が使われています。ただし、確かめられるのはそこまで。姿と、やってくることと、呼び名。だいたいそのくらいで止まります。
確かめられるのは、次のあたりです。
- 呼び名
- 「ゾウ」。ちいかわマーケットのマスコットの商品名は「ちいかわ ゾウマスコット」、ちいかわパークのエリア「あくむな部屋」の案内は「ゾウが支配する悪夢の空間」、アニメの役名も「ゾウ」です。
- 姿
- 長い鼻と大きな耳、灰色の体。アニメのサイトが出している場面写真で確かめられます。
- 勝負のきまり
- 笑ったら負け、というにらめっこ。ちいかわの側から挑んだのではなく、相手のほうから持ちかけてきます。
- はじまり方
- 第349話は、夜おそくまで草むしり検定の勉強をしていたちいかわが、外から歌を聞くところから始まります。歌詞の一節「せっせとワンダフル」が放送後に話題になりました(中日スポーツは、童謡「かあさんの歌」の替え歌と伝えています)。
- 声
- 報道では山根雅史さん。中日スポーツと PASH! PLUS が「ゾウ」役として伝えています。
- くり返されること
- 一度きりの出来事ではありません。夜ごとにくり返され、そのあいだ日中の暮らしも少しずつ削られていきます。
- うさぎが加わること
- 途中からうさぎも巻きこまれていきます。単行本7巻の紹介文でも、そこまでは触れられています。
もうひとつ、見落とされがちな点があります。アニメのサイトのキャラクター紹介は、ちいかわやハチワレたち12の枠(鎧さんは3つに分かれています)で、11回ぶんの題名になったこの相手は、その中に入っていません。呼び名はあっても、ちいかわたちのような常連としての扱いではない、ということです。
出典: ちいかわマーケット ちいかわ ゾウマスコット、GAME Watch ちいかわパーク エリア紹介「あくむな部屋」、中日スポーツ 第349話「あくむ①」の歌と声の担当、PASH! PLUS 第349話「あくむ①」、アニメ「ちいかわ」公式サイト キャラクター紹介、モーニング公式サイト コミックス⑦巻「あくむ編」収録
明かされていないこと
この記事でいちばん伝えたいのはここです。呼び名は分かっても、その先がまるごと分かりません。検索すると、この相手の正体を言い切る説明がいくつも出てきます。読むぶんには楽しいのですが、2026年9月の時点で、作品の側からの説明はありません。
次のことは、どれも語られていません。
- 何者なのか。「ゾウ」と呼ばれてはいますが、元がどういう生きものなのか、そもそも生きものなのかも説明されていません。
- どこから来たのか。すみかも、夢に入ってくるしくみも描かれていません。
- 何のために夢に入ってくるのか。笑わせて何を得ているのかは語られていません。
- なぜ、ちいかわのところに来たのか。選ばれた理由は描かれていません。
- 夢の中の勝ち負けが、起きているあいだの暮らしに何をもたらすのか。
- なぜ、うさぎが同じ場所まで入っていけるのか。
- この相手が、ほかの長編にも出てくるのかどうか。
こうして並べてみると、この長編で説明されているのは「何が起きたか」だけで、「なぜ起きたか」はまるごと置いていかれていることが分かります。呼び名だけが先に決まっていて、中身は空いたまま。そのすき間を読者がそれぞれ埋めているのが、いまの「あくむ」の語られ方です。
バク? それとも ── ファンの間で語られている読み方

呼び名は「ゾウ」。でも、正体の説明はない。そのすき間を、読者がそれぞれの読み方で埋めています。ここからは読者の受け取り方です。どれにも寄らずに並べます。いずれも読み方であって、答え合わせがされたものではありません。
ファンの間でよく話題になるのは、こんな読み方です。
- バクだと読む見方 ── 夢を食べる生きものといえば、日本では古くからバクが知られています。姿ではなく「夢に入ってくる」というはたらきのほうから、バクだと読む人もいます。作品の中でバクという言葉が使われたことはありません。
- どちらかに決めない見方 ── 呼び名はゾウ、やっていることは夢を食べる生きもののよう。そのずれ自体がおもしろいのだから、どちらかに決めてしまうと味が減る、という読み方です。ずれが意図されたものかどうかは語られていません。
- 何かを持っていっているのでは、という見方 ── 目がさめたあとに疲れだけが残ることから、笑わせること自体が目的ではなく、別の何かを持ち出しているのではと読む人もいます。夢の中で何が起きているのかは説明されていません。
- こわさの正体は「ルール」だという見方 ── 相手は乱暴なことをせず、にらめっこを持ちかけてくるだけです。こちらが断れないきまりの中に引きずりこまれることが、この長編のこわさだという受け取り方。これも読者の受け取り方で、作品がそう説明しているわけではありません。
どの読み方も、絵に描かれていることから一歩だけ踏み出しています。どこまでが描かれていて、どこからが自分の読み取りなのか。その線を引きながら読むと、この長編はいちばんおもしろくなります。ちいふぁんでは、ナガノさんの意図を決めつける書き方はしません。
こわいのに、目が離せない ── この長編のここが好き

ここからは、ちいふぁんの見方です。「あくむ」がこれだけ語られるのは、こわさの置き方がうまいからだと思っています。相手はおどしてきません。にこにこ笑って、歌いながら、断れないきまりを持ちかけてくるだけです。乱暴なことが起きるわけではないのに、夜になるのがこわくなる。この手ざわりは、説明されないからこそ残ります。
こわさの出どころを、自分なりに3つに分けてみました。
- おどされないこと。歌って、笑いかけて、勝負を持ちかけてくるだけ
- 逃げ場が眠りの中にあること。起きているあいだにできる備えがない
- くり返されること。一晩で終わらないと分かってから、夜そのものがこわくなる
そしてこの長編は、眠れない日が続く感じをとても正確に描いています。眠りが削られて、昼のやるべきことが回らなくなって、それでも夜はまた来る。ちいかわという作品がもともと持っている、かわいい絵のまま暮らしのきびしさを出すやり方が、いちばんまっすぐ出ている長編のひとつだと感じます。
それでいて、ひとりで抱えたままでは終わりません。打ち明けたあと、勝負の形がじわじわ変わっていくところが読みどころです。こわい話なのに、読み終えたあとに残るのがこわさだけではない。そこがこの長編のいちばん好きなところです。
もう一度読むなら
1話ずつ追いかけていたときには気づきにくいものが、通して読むと見えてきます。眠れない夜が何回くり返されたのか、勝負のやり方がどこで変わったのか。そういう積み重ねが、この長編のこわさをつくっています。
おすすめの順番です。
- まとめ読みで「あくむ編」の20回ぶんを、最初から通して読む。夜が何度くり返されるかを数えながら読むと、印象がだいぶ変わります。
- アニメのサイトで、第349話から第359話までの場面写真を並べて見る。色の抜け方が回ごとに変わっていくのが分かります。
- そのうえで、この記事の「明かされていないこと」をもう一度見る。分からないことがはっきりすると、読み方が変わります。
- 手もとに置くなら単行本7巻。「あくむ編」がまとめて入っています。
アニメで追いかけ直したい人へ。放送日と、その回のとっかかりです。
- 第349話「あくむ①」
- 2026年6月5日(金)放送。草むしり検定の勉強をしていたちいかわが、外から歌を聞く回です。
- 第354話「あくむ⑥」
- 6月23日(火)放送。草むしり検定5級の合格発表が入ります。
- 第358話「あくむ⑩」
- 7月7日(火)放送。終盤、ハチワレの家のほうへ向かう回です。
- 第359話「あくむ⑪」
- 7月10日(金)放送。この長編の最後の回で、次の第360話は別のお話になります。
あなたは、あの相手をどんなふうに読んだ? X で #ちいかわ をつけて聞かせてください。
出典: めざましmedia 第349話「あくむ①」、めざましmedia 第354話「あくむ⑥」、めざましmedia 第358話「あくむ⑩」、めざましmedia 第359話「あくむ⑪」、PASH! PLUS 第360話「たぬきだもん」、ちいふぁん まとめ読み「あくむ編」、X でこの記事について語る
一言コメント
確認したいポイント
原作はナガノさんの投稿で、2023年2月19日から3月10日までの20回ぶんです。投稿には文章がほとんどなく、20回のうち12回に🐘の絵文字が添えられています。
アニメでは第349話から第359話までの11回に分けて「あくむ①」〜「あくむ⑪」として放送されました。
第349話「あくむ①」は2026年6月5日(金)、第354話「あくむ⑥」は6月23日(火)、第358話「あくむ⑩」は7月7日(火)、第359話「あくむ⑪」は7月10日(金)の放送です。
第349話は、夜おそくまで草むしり検定の勉強をしていたちいかわが、外から歌を聞くところから始まります。歌詞の一節「せっせとワンダフル」が放送後に話題になりました。
単行本『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(7)』(2024年11月21日発売)に「あくむ編」が収録されています。
この相手の呼び名は「ゾウ」です。ちいかわマーケットの商品名「ちいかわ ゾウマスコット」、ちいかわパークのエリア「あくむな部屋」の案内、アニメの役名でも「ゾウ」が使われています。
声を担当したのは山根雅史さんだと、中日スポーツと PASH! PLUS が伝えています。
アニメのキャラクター紹介ページは12の枠で、夢にあらわれるこの相手は含まれていません。
夢を食べる生きものの言い伝えから「バク」と読む人もいますが、作品の中でバクという言葉が使われたことはありません。
この相手が何者なのか、どこから来たのか、何のために夢に入ってくるのか、なぜちいかわのところに来たのかは、2026年9月時点で明かされていません。
メモ
- この記事では、確かめられる事実と、ファンの間の見方を分けて書いています
- 本文の読み方は、どれも読者の受け取り方です。ナガノさんの意図を決めつける書き方はしていません
- 各話の放送日は、アニメ公式サイトの話数一覧には入っていないため、各回を紹介したフジテレビ「めざましmedia」などの記事で1回ずつ確かめています(2026年9月時点)
- アニメ公式サイトの話数一覧は2026年9月時点で第354話までのため、第355話〜第359話は各回の紹介記事で確かめています。第355話〜第357話の題名は一覧に載っていないため、この記事では書いていません
- 声を担当した人の名前は、中日スポーツと PASH! PLUS の報道にもとづいて書いています。アニメのキャラクター紹介ページには、この相手の枠もCVの表記もありません
- 漫画のコマやせりふの転載はしていません。画像はアニメのサイトが公開している場面写真です
- 結末の核心には触れていません。お話はまとめ読みか単行本7巻でご確認ください