長い鼻と大きな耳をもつ灰色の相手が、目を細めて口を開け、草の上を歩いている。背景はピンクに縦線が並ぶ、アニメ「ちいかわ」第350話「あくむ②」の場面

画像: アニメ「ちいかわ」公式サイト©ナガノ/ちいかわ製作委員会

話題通年

ちいかわ「あくむ」のゾウの正体は?夢にあらわれる相手について、明かされていないこと

公開

「あくむ」で夢にあらわれるあの相手の呼び名は「ゾウ」です。グッズショップ「ちいかわマーケット」の商品名も、ちいかわパークのエリア「あくむな部屋」の案内も、アニメの役名も「ゾウ」で通っています。ただし、その先——何者なのか、元は何なのか、どこから来て、何のために夢に入ってくるのかは、いまも説明されていません。夢を食べる生きものの言い伝えから「バク」と読む人もいますが、作品の中でバクという言葉が使われたことはありません。この記事では、ナガノさんの投稿・アニメ・単行本から確かめられることと、確かめられていないことをはっきり分けて並べます。

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日付

通年

時期を問わず読める原作ガイド

場所

X(旧Twitter)・アニメ・単行本7巻

出典

アニメ「ちいかわ」公式サイト

「あくむ」は、どんなお話?

ピンクの机に開いた本を置き、緑のペンをくわえて眉を寄せているちいかわ。アニメ「ちいかわ」第349話「あくむ①」の場面
第349話「あくむ①」の場面写真。夜おそくまで机に向かっているところから、この長編は始まります。画像: アニメ「ちいかわ」公式サイト©ナガノ/ちいかわ製作委員会

「あくむ」は、ある夜のにらめっこから始まる長編です。笑ったら負け、というきまりで勝負を持ちかけられたちいかわは、その日から毎晩、眠っているあいだに入りこまれるようになります。目がさめたあとに残るのは疲れだけ。夜がくるのがこわくなっていく——そういうお話です。

まず、この長編のあらましです。

原作
ナガノさんの投稿で、2023年2月19日から3月10日までの20回ぶん。ちいふぁんのまとめ読みで、最初から順番に読めます。
投稿のようす
文章がほとんどありません。添えられているのは絵文字だけで、20回のうち12回に🐘が付いています。
アニメ
第349話から第359話までの11回に分けて、「あくむ①」〜「あくむ⑪」として放送されました。
単行本
『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(7)』(2024年11月21日発売)に「あくむ編」が収録されています。

短い話数のわりに、出来事が細かく積み上がっていく長編です。単行本7巻の紹介文(講談社「モーニング」のサイト)では、勝負のきっかけがにらめっこであること、そのあとうさぎも巻きこまれていくことまで触れられています。手もとに置きたい人は、7巻の一冊で「あくむ編」がまとまって読めます。ここから先はお話の中身に触れますが、結末の核心は書きません。

ちいふぁんのマスコット(ピンクのまるい子)
文章がなくて絵文字だけなんだ。しかも🐘がいっぱい!
ちいふぁんのマスコット(むらさきのコウモリの子)
うん。あの呼び名のはじまりも、たぶんこのあたりだね

出典: アニメ「ちいかわ」公式サイト おはなしモーニング公式サイト コミックス⑦巻「あくむ編」収録ちいふぁん まとめ読み「あくむ編」

「ゾウ」と呼ばれています ── 確かめられること

虹色の渦を背景に、灰色の相手が長い鼻を上に向けて立ち、その正面でちいかわが目を丸くして見上げている、アニメ「ちいかわ」第351話「あくむ③」の場面
第351話「あくむ③」の場面写真。長い鼻と大きな耳、灰色の体。姿だけははっきり描かれています。画像: アニメ「ちいかわ」公式サイト©ナガノ/ちいかわ製作委員会

まず、いちばんよく検索されていることから。この相手の呼び名は「ゾウ」です。グッズの商品名にも、ちいかわパークのエリアの案内にも、アニメの役名にも、その言い方が使われています。ただし、確かめられるのはそこまで。姿と、やってくることと、呼び名。だいたいそのくらいで止まります。

確かめられるのは、次のあたりです。

呼び名
「ゾウ」。ちいかわマーケットのマスコットの商品名は「ちいかわ ゾウマスコット」、ちいかわパークのエリア「あくむな部屋」の案内は「ゾウが支配する悪夢の空間」、アニメの役名も「ゾウ」です。
姿
長い鼻と大きな耳、灰色の体。アニメのサイトが出している場面写真で確かめられます。
勝負のきまり
笑ったら負け、というにらめっこ。ちいかわの側から挑んだのではなく、相手のほうから持ちかけてきます。
はじまり方
第349話は、夜おそくまで草むしり検定の勉強をしていたちいかわが、外から歌を聞くところから始まります。歌詞の一節「せっせとワンダフル」が放送後に話題になりました(中日スポーツは、童謡「かあさんの歌」の替え歌と伝えています)。
報道では山根雅史さん。中日スポーツと PASH! PLUS が「ゾウ」役として伝えています。
くり返されること
一度きりの出来事ではありません。夜ごとにくり返され、そのあいだ日中の暮らしも少しずつ削られていきます。
うさぎが加わること
途中からうさぎも巻きこまれていきます。単行本7巻の紹介文でも、そこまでは触れられています。

もうひとつ、見落とされがちな点があります。アニメのサイトのキャラクター紹介は、ちいかわやハチワレたち12の枠(鎧さんは3つに分かれています)で、11回ぶんの題名になったこの相手は、その中に入っていません。呼び名はあっても、ちいかわたちのような常連としての扱いではない、ということです。

ちいふぁんのマスコット(ピンクのまるい子)
えっ、マスコットの商品名がそのまま「ゾウ」なんだ!
ちいふぁんのマスコット(むらさきのコウモリの子)
そう。呼び名はちゃんとある。でも、そこから先が書かれてないんだよね

出典: ちいかわマーケット ちいかわ ゾウマスコットGAME Watch ちいかわパーク エリア紹介「あくむな部屋」中日スポーツ 第349話「あくむ①」の歌と声の担当PASH! PLUS 第349話「あくむ①」アニメ「ちいかわ」公式サイト キャラクター紹介モーニング公式サイト コミックス⑦巻「あくむ編」収録

明かされていないこと

この記事でいちばん伝えたいのはここです。呼び名は分かっても、その先がまるごと分かりません。検索すると、この相手の正体を言い切る説明がいくつも出てきます。読むぶんには楽しいのですが、2026年9月の時点で、作品の側からの説明はありません

次のことは、どれも語られていません。

  • 何者なのか。「ゾウ」と呼ばれてはいますが、元がどういう生きものなのか、そもそも生きものなのかも説明されていません。
  • どこから来たのか。すみかも、夢に入ってくるしくみも描かれていません。
  • 何のために夢に入ってくるのか。笑わせて何を得ているのかは語られていません。
  • なぜ、ちいかわのところに来たのか。選ばれた理由は描かれていません。
  • 夢の中の勝ち負けが、起きているあいだの暮らしに何をもたらすのか。
  • なぜ、うさぎが同じ場所まで入っていけるのか。
  • この相手が、ほかの長編にも出てくるのかどうか。

こうして並べてみると、この長編で説明されているのは「何が起きたか」だけで、「なぜ起きたか」はまるごと置いていかれていることが分かります。呼び名だけが先に決まっていて、中身は空いたまま。そのすき間を読者がそれぞれ埋めているのが、いまの「あくむ」の語られ方です。

ちいふぁんのマスコット(ピンクのまるい子)
名前はあるのに、中身はまるっきり分かってないんだ…
ちいふぁんのマスコット(むらさきのコウモリの子)
うん。何者かも、なんで来たのかも、まだなんだよね

出典: アニメ「ちいかわ」公式サイト キャラクター紹介

バク? それとも ── ファンの間で語られている読み方

青灰色にくすんだ夢の景色の中で、灰色の相手が車輪のついた水そうを綱で引いている。水そうの中にはちいかわが浮かんでいる、アニメ「ちいかわ」第353話「あくむ⑤」の場面
第353話「あくむ⑤」の場面写真。夢の中では、こういうことが起こります。色の抜けた画面づくりも、この長編の特徴です。画像: アニメ「ちいかわ」公式サイト©ナガノ/ちいかわ製作委員会

呼び名は「ゾウ」。でも、正体の説明はない。そのすき間を、読者がそれぞれの読み方で埋めています。ここからは読者の受け取り方です。どれにも寄らずに並べます。いずれも読み方であって、答え合わせがされたものではありません。

ファンの間でよく話題になるのは、こんな読み方です。

  • バクだと読む見方 ── 夢を食べる生きものといえば、日本では古くからバクが知られています。姿ではなく「夢に入ってくる」というはたらきのほうから、バクだと読む人もいます。
    作品の中でバクという言葉が使われたことはありません。
  • どちらかに決めない見方 ── 呼び名はゾウ、やっていることは夢を食べる生きもののよう。そのずれ自体がおもしろいのだから、どちらかに決めてしまうと味が減る、という読み方です。
    ずれが意図されたものかどうかは語られていません。
  • 何かを持っていっているのでは、という見方 ── 目がさめたあとに疲れだけが残ることから、笑わせること自体が目的ではなく、別の何かを持ち出しているのではと読む人もいます。
    夢の中で何が起きているのかは説明されていません。
  • こわさの正体は「ルール」だという見方 ── 相手は乱暴なことをせず、にらめっこを持ちかけてくるだけです。こちらが断れないきまりの中に引きずりこまれることが、この長編のこわさだという受け取り方。
    これも読者の受け取り方で、作品がそう説明しているわけではありません。

どの読み方も、絵に描かれていることから一歩だけ踏み出しています。どこまでが描かれていて、どこからが自分の読み取りなのか。その線を引きながら読むと、この長編はいちばんおもしろくなります。ちいふぁんでは、ナガノさんの意図を決めつける書き方はしません。

ちいふぁんのマスコット(ピンクのまるい子)
わたしはずっとバクだと思いこんでた…
ちいふぁんのマスコット(むらさきのコウモリの子)
気持ちはわかる。でも作品の中では、そう言われてないよ

出典: アニメ「ちいかわ」公式サイト おはなし

こわいのに、目が離せない ── この長編のここが好き

部屋の中で、汗をかいたちいかわが口を開けて話し、うしろでうさぎがしゃぼん玉のようなものを吹いている、アニメ「ちいかわ」第354話「あくむ⑥」の場面
第354話「あくむ⑥」の場面写真。ひとりで抱えていたことが、少しずつ友だちのほうへ渡っていきます。画像: アニメ「ちいかわ」公式サイト©ナガノ/ちいかわ製作委員会

ここからは、ちいふぁんの見方です。「あくむ」がこれだけ語られるのは、こわさの置き方がうまいからだと思っています。相手はおどしてきません。にこにこ笑って、歌いながら、断れないきまりを持ちかけてくるだけです。乱暴なことが起きるわけではないのに、夜になるのがこわくなる。この手ざわりは、説明されないからこそ残ります。

こわさの出どころを、自分なりに3つに分けてみました。

  • おどされないこと。歌って、笑いかけて、勝負を持ちかけてくるだけ
  • 逃げ場が眠りの中にあること。起きているあいだにできる備えがない
  • くり返されること。一晩で終わらないと分かってから、夜そのものがこわくなる

そしてこの長編は、眠れない日が続く感じをとても正確に描いています。眠りが削られて、昼のやるべきことが回らなくなって、それでも夜はまた来る。ちいかわという作品がもともと持っている、かわいい絵のまま暮らしのきびしさを出すやり方が、いちばんまっすぐ出ている長編のひとつだと感じます。

それでいて、ひとりで抱えたままでは終わりません。打ち明けたあと、勝負の形がじわじわ変わっていくところが読みどころです。こわい話なのに、読み終えたあとに残るのがこわさだけではない。そこがこの長編のいちばん好きなところです。

ちいふぁんのマスコット(ピンクのまるい子)
ひとりじゃなくなってからの空気、好き
ちいふぁんのマスコット(むらさきのコウモリの子)
ね。こわいだけの話じゃないんだよね

もう一度読むなら

1話ずつ追いかけていたときには気づきにくいものが、通して読むと見えてきます。眠れない夜が何回くり返されたのか、勝負のやり方がどこで変わったのか。そういう積み重ねが、この長編のこわさをつくっています。

おすすめの順番です。

  1. まとめ読みで「あくむ編」の20回ぶんを、最初から通して読む。夜が何度くり返されるかを数えながら読むと、印象がだいぶ変わります。
  2. アニメのサイトで、第349話から第359話までの場面写真を並べて見る。色の抜け方が回ごとに変わっていくのが分かります。
  3. そのうえで、この記事の「明かされていないこと」をもう一度見る。分からないことがはっきりすると、読み方が変わります。
  4. 手もとに置くなら単行本7巻。「あくむ編」がまとめて入っています。

アニメで追いかけ直したい人へ。放送日と、その回のとっかかりです。

第349話「あくむ①」
2026年6月5日(金)放送。草むしり検定の勉強をしていたちいかわが、外から歌を聞く回です。
第354話「あくむ⑥」
6月23日(火)放送。草むしり検定5級の合格発表が入ります。
第358話「あくむ⑩」
7月7日(火)放送。終盤、ハチワレの家のほうへ向かう回です。
第359話「あくむ⑪」
7月10日(金)放送。この長編の最後の回で、次の第360話は別のお話になります。

あなたは、あの相手をどんなふうに読んだ? X で #ちいかわ をつけて聞かせてください。

ちいふぁんのマスコット(ピンクのまるい子)
よし、夜を数えながらもう一周してくる
ちいふぁんのマスコット(むらさきのコウモリの子)
いってらっしゃい。寝る前は、ほどほどにね

出典: めざましmedia 第349話「あくむ①」めざましmedia 第354話「あくむ⑥」めざましmedia 第358話「あくむ⑩」めざましmedia 第359話「あくむ⑪」PASH! PLUS 第360話「たぬきだもん」ちいふぁん まとめ読み「あくむ編」X でこの記事について語る

一言コメント

ちいふぁんのマスコット(ピンクのまるい子)
グッズの名前がそのまま「ゾウ」だって知って、ちょっとびっくりした
ちいふぁんのマスコット(むらさきのコウモリの子)
ね。呼び名はちゃんとある。ただ、そこから先が書かれてないんだよね
ちいふぁんのマスコット(ピンクのまるい子)
何者なのかも、なんで夢に来るのかも、分からないままなんだ
ちいふぁんのマスコット(むらさきのコウモリの子)
うん。だから「これが正体」と言い切る説明を見たら、一度立ち止まってほしいな
ちいふぁんのマスコット(ピンクのまるい子)
わたしは、分からないままのほうがこわくて好きかも
ちいふぁんのマスコット(むらさきのコウモリの子)
ね。……あなたは、あの相手をどう読んだ?

確認したいポイント

原作はナガノさんの投稿で、2023年2月19日から3月10日までの20回ぶんです。投稿には文章がほとんどなく、20回のうち12回に🐘の絵文字が添えられています。

アニメでは第349話から第359話までの11回に分けて「あくむ①」〜「あくむ⑪」として放送されました。

第349話「あくむ①」は2026年6月5日(金)、第354話「あくむ⑥」は6月23日(火)、第358話「あくむ⑩」は7月7日(火)、第359話「あくむ⑪」は7月10日(金)の放送です。

第349話は、夜おそくまで草むしり検定の勉強をしていたちいかわが、外から歌を聞くところから始まります。歌詞の一節「せっせとワンダフル」が放送後に話題になりました。

単行本『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(7)』(2024年11月21日発売)に「あくむ編」が収録されています。

この相手の呼び名は「ゾウ」です。ちいかわマーケットの商品名「ちいかわ ゾウマスコット」、ちいかわパークのエリア「あくむな部屋」の案内、アニメの役名でも「ゾウ」が使われています。

声を担当したのは山根雅史さんだと、中日スポーツと PASH! PLUS が伝えています。

アニメのキャラクター紹介ページは12の枠で、夢にあらわれるこの相手は含まれていません。

夢を食べる生きものの言い伝えから「バク」と読む人もいますが、作品の中でバクという言葉が使われたことはありません。

この相手が何者なのか、どこから来たのか、何のために夢に入ってくるのか、なぜちいかわのところに来たのかは、2026年9月時点で明かされていません。

メモ

  • この記事では、確かめられる事実と、ファンの間の見方を分けて書いています
  • 本文の読み方は、どれも読者の受け取り方です。ナガノさんの意図を決めつける書き方はしていません
  • 各話の放送日は、アニメ公式サイトの話数一覧には入っていないため、各回を紹介したフジテレビ「めざましmedia」などの記事で1回ずつ確かめています(2026年9月時点)
  • アニメ公式サイトの話数一覧は2026年9月時点で第354話までのため、第355話〜第359話は各回の紹介記事で確かめています。第355話〜第357話の題名は一覧に載っていないため、この記事では書いていません
  • 声を担当した人の名前は、中日スポーツと PASH! PLUS の報道にもとづいて書いています。アニメのキャラクター紹介ページには、この相手の枠もCVの表記もありません
  • 漫画のコマやせりふの転載はしていません。画像はアニメのサイトが公開している場面写真です
  • 結末の核心には触れていません。お話はまとめ読みか単行本7巻でご確認ください

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